台湾

航海日誌 Day 7【台湾の生活費】2拠点生活のリアルな予算案(食費・日用品・変動費)

spculeworks@yahoo.co.jp

読了目安:約5分

前回の振り返り:前回(Day 6)は、実際に台湾で生活を始めてから気づく「住まいの作法」の相違点について紐解きました 。更新料のない賃貸文化や、音楽を鳴らしてやってくるゴミ収集車を追う日常、そして2拠点生活を支えるインフラ管理のスマートな仕組みづくりなど 。日本とは異なる異国の流儀を理解し、生活のリズムを整えるための知恵を整理しました 。


理想の拠点に錨(いかり)を下ろし、生活リズムが馴染んでくると、次に直面するのは「月々の生活コスト」という現実です。

「台湾は物価が安い」というかつての常識は、近年の世界的な物価高という潮流によって書き換えられつつあります。現在の台北は、日本の主要都市と遜色ない水準と言っても過言ではありません。

2拠点生活という長い旅を「資金不足」で座礁させないために。現地で暮らす友人のデータと私の実体験を交え、1ヶ月の航海に必要な蓄えのリアルな予算案を公開します。

1. 食費のリアル:自炊 vs 外食の波を読み解く

台湾は言わずと知れた「外食天国」です 。朝は鹹豆漿(シェンドウジャン)に舌鼓を打ち、昼は牛肉麺や魯肉飯、夜は夜市や台湾式ビュッフェ「自助餐」へ 。キッチンがない部屋でも飢える心配がないのはこの地の大きな魅力ですが、2026年現在は物価高の影響もあり、戦略的な選択が求められます 。

  • 自炊派(夫婦の例): 大型スーパーや伝統市場をフル活用し、食材を賢く調達すれば、2人で月4,000元〜(約2万円〜)に抑えることも可能です 。駐在時代、私は1〜2週間に一度、コストコ(台北周辺に4店舗)へまとめ買いに出かけましたが、帰路の荷物量はまさに「積載オーバー」への注意が必要です。
  • 外食の航跡: ローカル食堂は依然として100元前後と手頃ですが、カフェやレストランは日本と同等、あるいはそれ以上の予算が必要です 。特に日本食は割高で、水や調味料の違いから、本場の味を期待しすぎると少し物足りなさを感じるかもしれません。
  • 物価の落とし穴と宝物: 乳製品や炭酸水は日本より割高です。日本のアイスも手に入りますが、輸送品質により「パリパリ感」が失われていることも 。一方で、日本メーカーのビールは驚くほどお買い得。時にはスーパーの樽ビールを買い占めるようなご褒美もありますが、やはりその土地の風土に合った「金牌(台湾ビール)」をその地で頂くのが、最高の贅沢と言えるでしょう。

2. 交通費:公共交通機関という名の追い風

台湾の都市部は、公共交通が驚異的に発達しており、2拠点生活者の財布を強力にバックアップしてくれます 。

  • バス・MRT(地下鉄): 1回15元(約70円)〜と格安 。台北には400以上の路線があり、時には同じ路線のバスが5台連なって「まるで電車のように」やってくることもあります。
  • YouBike(レンタル自転車): 最初の30分は数元と、まさに自分の「足」として重宝します 。

移動戦略: 台北周辺に住むなら、車やバイクの維持費(税金・保険・駐車場)をカットし、公共交通機関に徹するのが最もスマートな航路です 。時間を金で買う必要がない限り、これが2拠点生活の黄金律となります 。

3. 日用品と予備費:備えあれば憂いなし

  • 日用品の選択: 消耗品費は日本と大差ありませんが、品質面ではやはり日本製に軍配が上がることが多いです 。私は鼻炎持ちのため、台湾製の小さくボソボソしたティッシュでは「精神が削られる」思いをしました。化粧品や使い慣れた日用品は、日本から持ち込むのが最も効率的です 。
  • 医療の備え(想定外の出費): 突然の歯科治療や怪我に備え、予備費の確保は必須です 。日本の健康保険に加入しているなら「海外療養費制度」で後日払い戻しを受けられますが、窓口では一旦全額負担となります 。クレジットカードの海外旅行保険が「キャッシュレス診療」に対応しているか、拠点の近くの病院を事前に調べておきましょう 。

2拠点生活を成功させる秘訣:節約か利便性か。自分なりの予算の分岐点を把握する

無理のない航海を続けるためには、自分のライフスタイルに合った「予算の分岐点」を見極めることが重要です 。

  • 夫婦: 食費や雑費を共同管理し、賢く圧縮できれば、月間の総生活費を12万円以下に抑えることも決して夢ではありません 。
  • 一人暮らし: 自由度は最大ですが、自炊のロスや日用品の単価はどうしても上がります。利便性を重視しつつ、月8〜10万円程度の予算を見ておくと、心に余裕を持った航海が送れるでしょう 。

節約に舵を切るのか、利便性を優先するのか 。自分の「コンパスの針」がどちらを指しているかを知ることが、持続可能な2拠点生活の第一歩です 。


大切にしたい普遍的な教え

「物事を始める前に費用を計算し,成し遂げるための十分な蓄えがあるかを確認しなさい」。

Wittyなひとことアドバイス

「台湾のバスは、時刻表運航ではありません。5台連なって来たバスを『電車』と笑える余裕が、あなたの家計と精神を救うのです。ビールは現地で、ティッシュは日本から。この小さな使い分けが、2拠点生活という長い航海を快適にする隠し味になります」


次回の航海日誌: 「【台湾の生活費】固定費のリアルと、不在時を支える『有用な装備』」

日々の食費や交通費といった「変動費」の波を読めるようになったら、次に把握すべきは、毎月確実に発生する「固定費」という名の潮流です。 最新の家賃相場から、2ヶ月に一度やってくる光熱費の落とし穴。そして、日本を拠点にしている間の支払いをどう自動化し、ライフラインを守るのか。私の航海を陰で支える「有用な装備」の活用術を含め、2拠点生活の維持管理をスマートに完結させるための具体的な戦略をお伝えします。

ABOUT ME
人生折り返しのノマドワーカー
人生折り返しのノマドワーカー
「航海日誌」執筆者
首都圏ベイエリア出身、東京23区在住。小さな商社の管理職としてリモートワークを実践中。 国内・海外の2拠点生活を模索しています。
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